認定インストラクター インタビュー
vol.3 数字とは、「ドラえもん」である。
中島 典子 ナカジマ ノリコ
ビジネス・ファイナンシャル教育
財産コンサルタント・税理士・社会保険労務士・CFP
著書「会社が知っておきたい補助金・助成金の活用&申請ガイド」ほか
なぜビジネス数学インストラクターになったのでしょうか?
もともと数字やお金をテーマに教育をやりたいと思っていましたので、まるで導かれるように(笑)深沢先生の数学女子智香(『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社)に出会い、ビジネス数学インストラクターにたどり着いたように思います。もともとは子供たちに教えたいとはじめたことですが、実際に活動していると少しずつ対象者が上の年代に移り、大学等の学生へのお金の教育に携わるようになりました。でもコアの部分は、「母親が第一の教育者である」という考え方です。何よりも「親子で一緒に学べる」というのがとてもいいと思っています。ところがお金の教育を学校で学ぶ機会は、まだまだ限られています。そのため、親のリテラシーが高ければ子供にも高いリテラシーがつく傾向にある。でもその逆もある。お金の教育に関してはかなり格差があるなと感じています。せめて社会に出るまでに、全ての子供がお金の知識と大切さを学んで欲しい。そう思って活動をしています。
インストラクター養成講座に参加して何を学んだと思いますか?
一言で言うと「教育者とは何か」を考えたり学んだりする場だった気がします。スキルよりもマインド、心のあり方などを自問自答していたように思います。特にこの講座で深沢先生が強くおっしゃっていた「寄り添う」「下に降りてくる」という教えはとても大事だなと感じました。なぜなら、講師として人前に立つと、どうしても自分目線になりやすい。そもそも先生と呼ばれること自体が天狗になりがちだと思うんです。つい忘れてしまう、でも忘れてはいけない、大事なことだなと思います。
どんな時にやりがいを感じますか?
受講された方が笑顔になった時ですね。楽しそうにしている姿を見ると、こちらも嬉しくなります。自分の悩んでいることについて霧が晴れたり、できそうだと思えたり、自信が持てたり、といったことだと思いますが、その瞬間を見れることは嬉しいですね。誰にでも、かけがいのない能力が必ずある。だからこそ、学ぶ楽しさ、できる喜びや自信を持ってほしい、そう願っています。
中島先生はこれからどういう人を救うのでしょうか?
3つあります。1つ目は経営者や後継者層。お金の悩みや数字が苦手といった課題の解決に貢献したい。ここがいまは緊急度、重要度が高いですね。経営が守れれば雇用も守れますし、企業が衰退すると結局は巡り巡って子供(社会的な弱者)がもっともマイナスの影響を受けることになる。それだけは避けたいなと。2つ目は学生。これから社会に出る人たちに、少しでも武器と自信を持って欲しいなと思っています。これは企業の経営力強化にもつながると考えていて、企業と学生との「架け橋」になりたいと思っています。3つ目はいままさに働いているビジネスパーソンです。子供たちの親がまさにいま働いている人たちですよね。だからここのリテラシーが上がれば、家庭(親子)教育ももっとよくなると思っています。目に見える財産は一瞬で失うこともありえますが、リテラシーは一生持ち続けることができる。これからの子供たちが安心して自分のやりたいことができる環境を作っていくことは私たちの仕事かなと思うんです。
中島先生にとって、「数字」とはなんですか?
数字とはとても身近な存在。友達、味方、空気、そんな表現ができるものだと思っています。どこにでもあるし、いつでも使えるし。例えば数字って「ドラえもん」かなぁって思っているんです(笑) のび太君にとってのドラえもん。いつでもいてくれる。頼りになる。弱いところを補ってくれる。そういうものじゃないでしょうか。逆に言えば、とても強力な道具であるが故に使い方には気をつけないといけないものかもしれませんね。
これからインストラクターになる方へのメッセージ
持っているスキルはそれぞれ違いますが、それを知りたい、学びたいと思っている人は必ず世界のどこかにいます。これは深沢先生もよくおっしゃることですが、私もそう思います。だからまずやってみること。それに尽きると思います。もし、違っていればそれはそれでいい経験。とにかくまずはやってみることが大事だなと思います。ビジネス数学インストラクターに向いているのは誰かのために力を尽くしたい、助けてあげたいと心から願う人だと思います。単に知識を教えるだけではなく、教育者マインドが必要な仕事ですね。すでに優秀な人に向けてハイレベルなことを教えられる人は他にいます。でも苦手意識が強くて苦しんでいる人に優しく教えることができる人はまだまだ少ない。そちらにやりがいを感じることができる人には向いていると思います。私は士業などいろんな肩書きがありますが、いち教育者と呼ばれる(見られる)ことが嬉しいなと思っています。教育者でありたい、という表現の方が正しいかもしれません。実はそもそも士業の活動も教育の一部なのではと思っていて、経営者を支援することも私にとっては「教育」なんです。「教育は国づくりである」という想いで、これからも頑張っていきます。
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